寝言・戯言・独り言
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ひよこ殿下がときどき何かつぶやいています

No.715

小説のほうも書き初め~
お話自体は年末にぽちぽちし始めてたものなのでまったくの新規書き初めではなく、しかも終わりまで書いてないけれども
まあ一文字でも物語を紡いでいれば文字の書き初めってことで(^O^)

あばダチ後の隼竜なんだけど、ちょっとねえ、保存してあった(浅間山の研究所とは別のところに分散保管してた)竜馬の血液サンプルをねえ、隼人が思い余って自分に輸血するお話
ゲッター線の曝露量が竜馬だけずば抜けてるからね、その血を自分に取り込んだらどうなるかな、竜馬に少しでも近づけるかなって血迷う(隼人にしてみれば血迷うじゃなくれっきとした方法のひとつなんだけども)やつです

出だしはこんな感じかなあ、というもの
書いて出しなので誤字や誤用もあると思うし、最後まで書くとしたらたぶんいろいろ変わると思うけど、せっかくだからちょろっと書いた部分だけ載せておこうかな
一応畳んでおきますね

#新ゲ隼竜


 ミチルが「信じられない」と呟く。
 隼人は細い双眸をさらに細くし、ニヤリと笑った。その足元には空のアンプルが転がっていた。
「……まさか」
 そこまでするなんて。ミチルは言おうとして、目の前の男はそういう男だったのだと思い出す。隼人はうっすらと血の滲む肌をそのままにアンプルを拾い上げ、右手に持っていた注射器ともどもゴミ箱に投げ入れた。
「こんな手があるなら、もっと早く試してみるべきだった」
 口調は冷静だった。その瞳も冷静に見えたが、ミチルが「どうかしてるわ」と呟いたのを受けて暗く歪んだ光が浮かび上がった。
「早乙女の血を引く人間が、それを言うか」
 静かに、だがどこか責めるようなニュアンスが潜むトーンだった。ミチルの眉間に一瞬、シワが寄る。しかしすぐに眉根は平坦になり、
「そうね」
 と、応える声も淡々としていた。
「でも、勝手に持ち出されちゃ困るのよ。貴重なサンプルなんだから」
「そうだろうな。もう二度と手に入らない」
「……」
 ミチルはゴミ箱に視線を落とす。アンプルには検体ラベルが貼られている。流竜馬。そう書かれていた。
「……あなたなら、たとえ凝集反応が起きるとしても実行したんでしょうね」
 ふん、と隼人が鼻で笑う。
「さすがに俺もそこまで馬鹿じゃない」
「どうだか」
「何だと」
 今度はミチルが鼻を鳴らす番だった。
「死ぬリスクを冒すより、ゲッター線の解明に近づくほうが優先なんでしょ。それとも」
 ミチルの鋭い目つきが隼人に向かう。
「流君に近づくほうがもっと大事かしら」
「——」
 隼人の表情は変わらない。しかしその身から放たれる気配が緊張したのがわかった。
「彼の血液を取り込むなんて、よくも考えつくわね。けど、いくら切羽詰まってるからって、無断でサンプルを持ち出されちゃ困るの」
「言ったところで許可が下りるとは思えない」
「そうかもしれないけど、物事には順序があるでしょ」
「順序、だぁ?」
 順序、決まり事、お約束。この世界は、いろいろなものに縛られている。
「その順序に阻まれて、ゲッター線の研究もゲッターロボの再建も止まってんじゃねえか」
 隼人からかつての乱暴な口調が転がり落ちる。早乙女博士亡きあと、ゲッター線とゲッターロボに係る研究・開発は政府の指示により凍結され、再開の見通しも立っていなかった。
「仕方がないでしょ。扱うモノが桁違いなのよ。政府の後ろ盾がなければ無理だわ」
 場所も、設備も、人も金も。
「だからせめて、できることをしているのよ」
「それでこっそり竜馬や俺たちの血液を培養して、細胞を煮たり焼いたり切ったりしてるってわけか」
「あなたたちのゲッター線の曝露量はとんでもないわ。それこそ」
「ほかにないサンプル?」
「…………そうよ」
「俺たちの検体が、早乙女研究所以外に分散保管されていたとはな」畳む

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